「バイスタンダー」とは、医療用語では応急処置や心肺蘇生といった、救助に携わった第三者のことを指しますが、ハラスメントや差別の文脈では、「ハラスメントや差別、性暴力などが起きた時、その現場に居合わせた第三者のこと」という意味で使われています。何らかの被害を受けている時、 受けそうな時に周りの人が介入することで、事態を悪化させない、予防するといった効果があり、“差別の抑止力”として注目されています。この研修では、目の前で困っている人がいる時に、何らかの行動を起こすための知識の共有と実践を行います。
所属する大学の職員研修としてトレーニングを実施していただきました。残念ながら大学の中でもジェンダー平等や民族平等が達成されているとは言い難く、特に民族平等については、基礎的な啓発さえ緒につき始めた段階です。様々なハラスメントが起きても、驚いて何もできずに過ごしてしまった経験が何度もありましたし、自分自身が様々なマイノリティに関して失言をしてしまったことも多々あります。当日は、パワハラなどに加えレイシャル・ハラスメント(民族性に基づくハラスメント)を実感するシナリオも用意していただき、私も含め、多くの参加者にとって新鮮な経験ができました。また、センシティブな話題を扱いながら、打ち合わせを細やかにしていただいたおかげで、細部まで配慮が行き届いたトレーニングとなったことは嬉しいことでした。 マジョリティ性を強く持つ参加者からも「誰もが当事者意識を持って考えられる」という感想が寄せられました。私は、声を挙げにくい人が「自分にもできる」対処法を考える機会として貴重だと感じています。人に何かを伝えることが仕事になっている大学教員の属性故か、ハラスメントへの対処法として直接的な介入を選択する受講者がほとんどでした。それが難しい人も多く、教員もいざとなると何も言えないことが多いように思いますが、「どのように介入・説得するか」という論理の部分を丁寧に共有することもまた良い経験だと感じました。
北原モコットゥナㇱさん
北海道大学アイヌ・先住民研究センター 教授
メディア関係者や記者職の方にぜひおすすめしたい研修です。記者(特に日本の)は何かと第三者であることと同時に「中立であること」に縛られがちです。でも、それが行きすぎて、逆に公平性をかいてしまったり、弱者や被害者をかえってないがしろにしてしまったりということがあるかと思います。そんな「中立」に悩まされた時に「自分の身の安全をしっかり確保しつつ、困っている人・助けたい人への適切な介入の仕方を学ぶ」というバイスタンダーの研修は、書き手として「何をどう語るべきか」という、自分なりの判断の軸を固める良いきっかけになりました。バイスタンダーの概念や「第三者の適切な介入の仕方は必ずある」ことを知ることは、取材へのスタンスを考えるきっかけになると思います。
三木 いずみさん
フリーランス記者
25年以上前、ある発表の場で外国人のメンバーが発言した時に日本語の発音が正確にできなくて、その言葉を発するたびに周りがクスクス笑うという場面にいたことがありました。その時私はとても腹が立ち、「あなたたちは外国に行って、同じように皆の前で話すことができるのか」と言いたい気持ちになりました。でも、できなかった。それは多分、周りから浮きたくなかったからだと思います。その当人は、そんなことを軽々と乗り越えて皆と仲良くしていました。でも、私は今でもその時のことを思い出すたびに、胸がチクッと痛みます。その日本語の言葉が何だったかもはっきりと覚えています。当時この研修を受けていたら、何か違ったかもしれません。「アクティブ・バイスタンダー研修」は自分以外の誰かのため(だけ)ではなく、自分のための研修でもあると思います。
船山 和泉さん
大学教員/コーチ/茶道講師
日本社会では経済成長が鈍化し、少なからぬ国民が貧困層になり、自然災害も頻発し、政治は迷走したまま行き場のない社会へと変わりつつある。経済成長による幸せという幻想を保てなくなった今、本当の豊かな生き方(Well-Being)とは何かを考えさせる教育が求められている。大学教育の現場の片隅で学生たちの声を聞いていると、日常生活や人間関係におこるトラブルに過剰なほどの防衛・回避反応(その典型が「知らぬふり」)をとり、そうしたことしかできない自分自身にさらに苦しんでいることがわかってきた。この研修を受講して、この学びこそ、苦しみの最中にある学生らの心を癒し、前へ進む勇気を与えてくれるものだと確信した。人間関係に敏感になり、社会との接点が多くなる高校生から大学生ぐらいの世代においてこの研修を体験する機会が多くなれば、日本はWell-Beingな社会へと歩み出せるようになるに違いない。
聞間 理さん
九州産業大学商学部 教授
他人のために何ができるか。専門家ではない、ごく普通の一般人にはただ寄り添う、傍らに立つこと以外にできることはさほど多くはないと思う。ただ、そのためのノウハウを知っているかどうかは大きな違いになる。アクティブ・バイスタンダー研修ではそんなことを感じた。その一方で挙げられた事例に似た場面に複数回遭遇した経験からは「危ない!」という一声が事態悪化を防いだのかもしれないという気づきも。黙っているのではなく、とりあえず、一声、一足。踏み出すための知恵と勇気を得られたと思う。
中川 寛子さん
株式会社東京情報堂 代表取締役
登壇
2024-03-05
駐日EU代表部主催の国際女性デーイベントに共同代表の濵田が登壇しました。
執筆・寄稿
2024-02-29
学術会議叢書31『女性の政治参画をどう進めるか』が刊行されました。
研修・イベント開催
2024-02-27
愛知県稲沢市議会のハラスメント防止研修で共同代表の濵田が講師を務めました。
登壇
2024-02-24
千葉市男女共同参画センター主催講座で共同代表の濵田が登壇しました。
研修・イベント開催
2024-02-14
香川県市議会議員研修会のハラスメント防止研修で共同代表の濵田が講師を務めました。
メディア掲載
2024-02-08
埼玉新聞にさいたま市議会でのハラスメント防止研修の記事が掲載されました。
メディア掲載
2024-02-07
毎日新聞にさいたま市議会でのハラスメント防止研修の記事が掲載されました。
研修・イベント開催
2024-02-01
さいたま市議会のハラスメント防止研修で共同代表の濵田が講師を務めました。
研修・イベント開催
2024-01-30
福岡県女性議員ネットワーク主催のハラスメント研修会で共同代表の濵田が講師を務めました。
メディア掲載
2024-01-24
毎日新聞の「政治プレミア」に共同代表の濵田のインタビュー記事が配信されました。
研修・イベント開催
2024-01-18
高知市のこうち男女共同参画センター主催イベントでアクティブ・バイスタンダー研修を開催しました。
メディア掲載
2023-12-30
日本テレビのニュース番組news everyで放送された、国会議員の働き方に関する特集番組で共同代表の濵田がコメントしました。
メディア掲載
2023-12-26
外務省による海外向け政策論調発信ウェブ誌「Discuss Japan」に、共同代表の濵田の論考が掲載されました。
メディア掲載
2023-12-20
朝日新聞にアクティブ・バイスタンダー研修の取材記事が掲載されました。
メディア掲載
2023-12-14
12月14日に共同通信から共同代表の濵田のインタビュー記事が配信されました。
登壇
2023-12-11
早稲田大学で共同代表の濵田が特別講義を行いました。
メディア掲載
2023-12-07
日経新聞にアクティブ・バイスタンダー研修の取材記事が掲載されました。
登壇
2023-11-30
清泉女子大学地球市民学科と品川区共催「地球市民セミナー」に共同代表の濵田が登壇しました。
登壇
2023-11-18
パリテ・アカデミーと上智大学グローバル・コンサーン主催のイベントに共同代表の濵田が登壇しました。
登壇
2023-11-13
福岡県議会主催「議会関係ハラスメント根絶のための議員研修」で共同代表の濵田が講師を務めました。